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ボードゲーム制作サークル | ぽぴぽぽゲームズ公式ブログ

イノベーター理論による考察と活動報告

皆さまお元気でしたでしょうか。ボードゲーム活動について、最近思っている事を、久しぶりに書いてみたいと思います。

イノベーター理論をによる考察を書いていますが、自分のゲームが革新的だと言う訳ではなく、あくまでターゲッティングとポジショニングの話です。また個人的な考察のため何の根拠もございません。念の為。

イノベーター理論による考察

私はゲームマーケット2019秋に初出店をしたのですが、その時は印刷ミスにより、まともな作品として販売することは出来ませんでした。にも関わらず、交換パーツを後送する条件で、13人の方にご購入いただきました。本当に有り難かったです。

その方々をイノベーター理論で考えてみると、評判もなく内容も不確かなゲームを割高と思うだろう価格で(制作者にとってはギリギリであっても)購入していただけたのですから、間違いなくイノベーター(革新者)のような存在だったと思います。このイノベーターになり得るお客様ですが、市場全体の中にはわずかな割合でしかいらっしゃいません。

イノベーター理論については、下記の記事が分かりやすいと思います。

www.onemarketing.jp

次にアーリーアダプター(イメージではブロガーさんでしょうか)に認知していただき、アーリーマジョリティへと繋げていくには、知っていただくためのPRと、実際の面白さが求められると思います。ゲームマーケットにご来場されるお客様のほとんどが、アーリーマジョリティ以上に分類されるのではないでしょうか。レイトマジョリティは、おそらくアマゾンやボドゲーマで評判を確認し、価格を判断した上で購入する層です。ゲームマーケットにもご来場しますが購入意欲は低めで、購入していただくためには、買いやすい価格設定が大切になってくると思います。

また大手出版社さんから沢山のゲームが発売するにも関わらず、同人ゲームが売れるのは、アナログゲーム特有の再販の難しさが関係していると思います。いずれ入手困難になるかもという気持ちが心の片隅にあるため、話題になりそうなキャッチーな作品に人気が集中するような気がします。

これにより、イノベーター理論で分類した各層の、引き上げ補正があるのではないでしょうか。新作が売れる傾向はこの補正が効いた状態だと捉えると、再販した作品が売れなくなるのも納得できる気がするのです。つまり再販時、イノベーターからアーリーアダプターは既に購入済で、アーリーマジョリティは補正がなくなり、レイトマジョリティに戻ってしまう。そんな気がします。

ふと自分の活動を振り返り、アーリーアダプターにもリーチ出来ていない状況なので「市場規模を広げる事が出来れば、イノベーターの割合も増え、自分のゲームも買ってもらえるのではないか」そんな事を考えながら、キックスターターにプロジェクトを立ち上げたのでした。

結果として、キックスターターでもイノベーターと思われる層にご購入いただけたと思います。というのも、最初から手作りでコンポーネントの品質は低いですと、お伝えしていましたので。近況報告でも何度もその事に触れて、そのタイミングでご支援者の方は多少減りましたがそれは当然で、むしろご支援していただけるのが凄い事なんだと思います。さらに海外のお客様にとっては、高い送料もかかりますし、特にEUではVATという付加価値税もかかります。にも関わらずご購入いただけたのは、この機会を失ったら2度と手に入らないかもしれないと思われたのかもしれません。本当に有難いことですね。

このプロジェクトが成功したら、ぜひ手作りではなくきちんと印刷したリワードで、またプロジェクトを立ち上げて欲しいと言う有難いメッセージもいただきました。だからこそ、プロジェクトのアップデートとして、ギリギリまでコンポーネントのクオリティを上げたいとも思いました。

手作りを外部印刷に切り替えた理由

「Dragon Scary-go-round」は、2019秋の反省も踏まえ、キックスターターで30個、ゲームマーケットで30個と合計60個作るつもりでした。それを外部印刷に切り替え200個作ることにしたのは3つの理由があります。

1つ目は時間です。キックスターターでは80人余りのバッカーにご支援いただきましたが、プラスしてゲームマーケット分も作ろうとすると、100個以上手作りすることになります。膨大に時間がかかるので、完全な手作りは諦めることにしました。でも一方でリワード金額を手作り用に合わせて設定していたため、完全に外注することは出来ません。なかなか難しい!

2つ目は自分の所有欲です。おそらく私は世界中の誰よりも、綺麗に印刷された自分の作品を欲しいと思っています。こんなの作ったんですよと友達に見せるのって、楽しいじゃないですか。仮に1個1万円だったとしても、自分のゲームなら買います。と言う事は、原価の1万円分は自己処理出来ると言う事なので、在庫を抱えても少しだけ気持ちが軽くなる気がします。

3つ目はPR効果です。活動を続けていけばいずれ固定客が出来て、楽に活動できるのではと思っていたのですが、そもそも絶対数を多く販売しないとあまり認知されない事に、ようやく気づきました。では何個くらい作れば良いのでしょうか。それは自分の知名度や販売力を想定し、損益分岐個数と照らし合わせる事で、割り出せる気がします。正直な話、個人的な創作活動なので利益は出なかったとしても投資回収はすぐに行いたいんです。そうなれば在庫を気にする事なく、BOOTHなどでのんびり販売しても良いかもしれません(委託販売のメリットとして、早く投資回収できると言うのもありますね)

「Dragon Scary-go-round」では、キックスターターで先に制作費をいただいたおかげで、損益分岐個数まで一気に近づくことができました。あと60~70個ほど販売すれば投資回収ができ、それ以降は利益になります。完売すれば次回作に費やす資金もできます。キックスターターのようなクラウドファンディングは、創作を始めたばかりのサークルにとって、良いPRにもなりますし本当におすすめです。

まとめ

もっとサークルの知名度が上がったら、大量生産して価格を下げ、買いやすい価格帯で販売してみたいですが、現在のサークルのポジションは、まだその段階ではありません。頑張ります!

ドミノ・ルームの説明書を変更しました。

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足りていなかった特殊カードの配置について、追記した説明書を作りました。

〈日本語ルール〉

https://drive.google.com/file/d/1yq0aTHtk-OnGbOazA2QrlEoM7mZ1gm_f/view?usp=sharing

〈英語ルール〉

https://drive.google.com/file/d/1994dYqMIkEF-19vW9JJS6kewj3iTG_g1/view?usp=sharing

ゲムマ2020秋での販売の予定はございませんが、いつか再販したい作品です。

鏡の迷宮のドラゴン、一部ルール改訂のお知らせ

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「鏡の迷宮のドラゴン」の一部のルールを改訂することにいたしました。変更点の概要は次の通りです。

・ドラゴン移動カードのシャッフルカードの廃止。
・サイコロでドラゴンの目が出た時、ドラゴン移動カードを2枚引く。
・魔法使いのプレイヤーがドラゴン移動カードで自由移動を出した時、魔法使いを1人出現させる。
冒険者による魔法陣の移動を通常ルールに含める。

 

改訂ルール(第二版)はこちら

<日本語ルール> 
https://drive.google.com/file/d/1cptz3y5OLCTYsOPzJ707pqZH3MZTYkoo/view?usp=sharing

<English rule>
https://drive.google.com/file/d/1cptz3y5OLCTYsOPzJ707pqZH3MZTYkoo/view?usp=sharing

  このゲームをもっと面白くしたいと思い、何か可能性があるのではないかと、上級ルールを考えては追加していきましたが、その過程で既存のルールに引っかかりを感じたのは間違いありません。ですがサイコロという運の要素をベースにしているため、本当に改訂するかどうか悩みました。その辺りを開発記録として、残したいと思います。

 

ドラゴンの動きがプレイ感を変える。

 最初に企画した当初、ゲームのプレイ感として、割とライトなゲームを目指していたのですが、実際にはかなりシビアな選択を迫られるようになりました。これは冒険者と魔法使いの強さが拮抗するように、サイコロの目やアクション数を試行錯誤した結果ですので当然かもしれません。

 問題はドラゴンの動きです。タイトルになっているにも関わらず、ドラゴンの印象が薄過ぎると感じていました。サイコロのドラゴンの目を増やしてしまうと、ゲーム自体が運に依存し過ぎてしまいますが、もっとドラゴンが動き回った方が、ゲームとしては楽しい。また、既存のドラゴン移動カードには、2つの気になる点がありました。

・ドラゴン移動カードを1枚引いたとき、進む方向が壁だと、結局ドラゴンは動かない。
・シャッフルの度に最初の方にシャッフルカードが出ると、まどろっこしさを感じる。

 試しにドラゴン移動カードを2枚引く上級ルールで遊んでみたところ、ドラゴンが程よく動いて面白くなったように感じました。けれどゲームの期待値を、魔法使いの側を少し有利に設定していたのに、冒険者有利に変わってしまいました。冒険者はドラゴンに倒されてもさほどマイナスポイントがないのに対して、魔法使いは移動することができず、倒された時のマイナスが少しだけ大きいのです。特に終盤ドラゴンが歩き回り、魔法使いが連続で倒されると、モチベーションを一気に下げてしまいます。

 またシャッフルカードがすぐに出てくることにストレスを感じます。10枚しかないカードを2枚ずつ引いていくのですから当然ですね。そこでシャッフルカードを無くし、毎回シャッフルすることを考えました。不思議なことに、毎回シャッフルした方が、ストレスを感じないんです。

 

シャッフルカードの意味

 シャッフルカードはゲームに取り入れることで、同じカードを再び出す事ができます。「パンデミック」や「おばけ屋敷の宝石ハンター」のように、マップの各地に対象となるものを拡散させるゲームにおいて、より危機的な状況を作り出す重要なカードです。

 仮にシャッフルカードがなかったら、その後の展開が予想でき、簡単になってしまいます。では逆に、毎回シャッフルしたらどうでしょうか? 運に依存しすぎて、難易度がプレイごとに異なってしまうでしょう。同じカードが何度も出過ぎることで、簡単になったり(難し過ぎたり)すると思います。

「鏡の迷宮のドラゴン」の場合、同じカードが何度も出たとして、ゲームバランスが大きく変わる訳ではありません。シャッフルカードの有る無しで、若干の意味合いは変わりますが、必然性はありません。それであればシャッフルカードを無くした方が良いだろうと思いました。

 

バランス調整が難しい

 シャッフルカードは廃止するとして、難しいのがバランス調整です。前述の通り、ドラゴン移動カードを常に2枚引いて、ドラゴンが動き回るのは良いのですが、魔法使い側の負担になります。

 サイコロにおけるドラゴンの目は、冒険者側は16.66%で魔法使い側は33.33%。この魔法使い側が25~28%(感覚です)くらいになってくれると良いのですが、6面ダイスなのでそれはできません。

 そこで常に2枚引く代わりに、魔法使い側がドラゴン移動カードの自由移動を出すと、ドラゴンを移動させるのではなく、魔法使いを1人登場させることができるアイデアを思いつきました。33.33%の内、22.22%は自由移動が出るという事は、割合×割合で求めると7.4%がドラゴン移動カードを引き、自由移動が出るということになります。結果的に、魔法使い側のドラゴンの移動は26%、魔法使いの出現率は74%となり、ドラゴンが魔法使いを倒す事を考慮しても、十分な出現率をカバーすることができます。

 また魔法使い側として、出現を2段階で判断するのはモチベーションを保つ上でもとても良いですね。特に魔法使いの行動はシンプルなため、プレイ感としても少し複雑にしたかったのです。

 アイデアとしては魔法使いの人数に合わせて、ドラゴン移動カードの引く枚数を変えるという案も考えましたが、見落としがちなルールだと思い、不採用にしました。

 このゲームは個人的にはサイコロや運についてとても考えさせられ、確率や期待値などに挑んだ本作品。大味な部分もありますが、ぜひ遊んでいただけると嬉しいです。


すでに購入済みの方へ

 ルール(第二版)はお手元の第一版からの変更が可能です(むしろ第二版からはシャッフルカードが付属しません)ぜひルールをダウンロードして遊んでみてください。また、すでに委託済みの商品(第一版)が存在しますが、引き取りや再委託のための送料をかけてしまうと赤字になってしまうため、このまま販売させていただきますことを、ご了承ください。